登場人物
- マナ(女):女子大生
- ケンヤ(男):男子大生
- サトシ(男):男子大生
所要時間(300文字あたり1分として計算)
約4分0秒(1206文字)
台本についての補足説明(ディレクション等)
特にありません。自由に演じてください。
本文
<SE> 喫茶店
ケンヤ:どうだった?
マナ:どうだったって? 何が?
ケンヤ:いやい や、そりゃあ、『ルネ・マグ リット展』だよ。 たった今、見てきたばっかり。俺とマナの二人でさ
マナ:う〜ん。やっぱり私には難しかったのかなって。 ぼーっと絵を見てるって、案外大変なんだなって思ったよ
ケンヤ:ひっどいな。それが初デートの感想かよ
マナ:ひどくな いし。デートでもないし
ケンヤ:デートじゃないのかよ。 …… っていうか、美術館なら付き合うって言ったのはマナだろ
マナ:あの時は美術館の気分だったの
ケンヤ:お前なぁ。 …… 面白い絵もあったけどな。昼寝してる半魚人とか
マナ:何それ!? 面白そう!
ケンヤ:っておい。そのリアク ションはおかしいだろ。さっきまで見てたやつなんだからな。一個くらい、気に入った絵はなかったの?
マナ:うーん。…… アレかな? あの、青空の絵。 タイ トルが『呪い』っていうやつ。
ケンヤ:ほうほう。結構シブ いとこいくねー。
マナ:なんかさー。ギャップがいいよね。ほんわかした平和そうな絵なのにタイトルが『呪い』っていうのがね
ケンヤ:…… ホン トに?
マナ:え……。なに?
ケンヤ:ホントに、そんな理由で『呪い』の絵を選んだ? ホントはさー。サトシのこと考えてたんじゃないの?
マナ:別に。詮索きもいんだけど
ケンヤ:強がるなよ。 …… マナって結構モテるのに彼氏つくんないのって、アイツのせいだろ? もう、行方不明になって一年だろ? そろそろ切り替えてもいいんじゃね? そんなにアイ ツのことが忘れられないならそれこそ『呪い』だと思うけどなー
マナ:帰る
<SE> 喫茶店のベル
ケンヤ:ちょっと待てよ! 悪かったって!
マナ:ついてこないで
ケンヤ:まあ、聞けよ。俺はマナのことを思って言ってんだからさ
マナ:そんなの必要ない
ケンヤ:いつまであんなヤツの事引きづってんだよ! いい加減諦めろって!
マナ:…… うるさい! 私はアイツと約束してるの! アイツは絶対帰ってくるんだ!
ケンヤ:まだそんなことを…… 。お? うわぁ!
<SE> 衝突音
サトシ:いてててて…… 。着地ミスったな
マナ:うそ…… 。サトシ…… ?
サトシ:おう。久しぶり。マナ
マナ:…… 今まで、どこ行ってたの?
サトシ:えー、っとぉ。その
マナ:うん?
サトシ: い、異世界、…… かな
マナ:あっそう
<SE> ビンタの音
マナ:もう知らない、ばかー!
<SE> 走り去る音
サトシ:ええー…… 。なんなんだよ。一体
ケンヤ:いい加減どいてくれよ
サトシ:あ、よく 見たらケンヤじゃん。久しぶり
ケンヤ:全くお前はタイミングがいいのか、悪いのか
サトシ:あのさ、なんであんなにマナが怒ってるわけ?
ケンヤ:自分で考えろよ。ばぁか
<SE> 歩いて去っていく音
サトシ:なんなんだよ! 何でこうなるんだよ!