デス・ティッシュ

登場人物

  • デスえもん(男):未来の世界からドブ太を抹殺するためにやってきた犬型ロボ
  • ゲス山ドブ太(男):高校二年生。17歳
  • しずちゃん(女):高校二年生。17歳
  • 学校の先生(不問):30〜40代

所要時間(300文字あたり1分として計算)

約6分0秒(1800文字)

台本についての補足説明(ディレクション等)

特にありません。自由に演じてください。

本文


デスM:僕、デスえもん。未来の世界からやってきたイヌ 型ロボット。僕の使命は、未来の世界に悪影響を及ぼすろくでもない少年、ゲス山ドブ太くんを抹殺することだ。これまで、何度もドブ太くん を抹殺しようとしたんだけど、どういうわけかうまくいかない。彼はゴキブリ<ピー音で消す>みたいにしぶとい色気違い<ピー音で消す>のごみ人間なんだ。そこで僕は作戦をたてた。ここにひとつのポケットティッシュがある。真っ黒なパッケージに覆われたこのティッシュ。これを使ったら、恐ろしい災いが降りかかるんだ。 ふ〜ふ〜ふ〜ふ〜。ドブ 太くんがこのティッシュでどんな目に遭うのか。想像しただけで、よだれがとまらないよ〜

<SE>じゅるり(よだれが垂れる)

デス:ああ、いけない。いけない。ティッシュ、ティッシュ

<SE>きゅっ(よだれを拭く)

デス:あ!

<SE>爆発音、少しの間、走る足音

ドブ太:ああ! やばい! 塾に遅れちゃうよ〜

<SE>キュピーン!

ドブ太:うう! なんだコレ…。猛烈にトイレに行きたくなっちゃった… 。そこの公園のトイレはあるけど、 あそこ、いつもトイレットペーパーがないんだよなぁ。クソゥ! こんなときに!

デス:そこの少年!

ドブ太:おわ! びっくりしたぁ! 人がいたのに気づかなかった

デス:どうやらお困りのようですね。ふ〜ふ〜ふ〜ふ〜 ふ〜。どうです? ティッシュをお一つ

ドブ太:こいつはありがてぇ。いただくぜ!

<SE>パシっ(受け取る音)

 <SE>走る足音、扉の開く音、ピンポンパン

 <SE>トイレの流れる音

ドブ太:ふぅー、すっきりしたぁ! 塾には遅刻だけど、ま、いっか!

デス:え! なんで!?

ドブ太:あ、ティッシュのおじさん! さっきはありがとねー!

デス:そんなバカな! なんで平気なの!? ドブ太くん !

ドブ太:え、何言ってんの? おじさん。っていうかなんで僕の名前知ってんの?

デス:あのティッシュを使ったら、とんでもない災いが降りかかるはずだ! 呪われたティッシュなんだ! なんでドブ 太くん はピンピンしているんだ!

ドブ太:あ、いっけね。そういえばケツ拭いてないや!

<SE>もわ〜ん

デス:うわぁ! なんて汚ねえ野郎だ! っていうかめちゃめちゃクセぇ! 近付くんじゃねぇ! くっそぉー!

<SE>場面切り替え

ドブ太:なんだったんだ、あのおっちゃん… 。しかし、いい事聞いたぜ! 呪いのティッシュか… 。早速試してやーろうっと…。ヒッヒッヒィ!

<SE>ピンポーン(イン ターホン)

ドブ太:し〜ず〜ちゃん!

しず:何? またあんた? … しつっこいなぁ! このあたしがぁ、あんたみたいなのと付き合うわけないくない!?

ドブ太:も〜、違うよ、しずちゃん! 僕、気付いたんだ。僕みたいな冴えない奴が、しずちゃんと付き合えるわけないって

しず:あ、そう。じゃあ、何しにきたんだよ

ドブ太:実はね、しずちゃんにぜひ渡したいものがあるんだよ! はい! これ!

しず:なんだコレ? ティッシュぅ? なめてんの?

ドブ太:めっそうもない! 情けないけど、コレが今の僕にできる精一杯なんだよ。僕を哀れだと思うなら、受け取ってくれないかなぁ?

しず:いらねぇから帰れ

ドブ太:ヤダヤダヤダぁー ! 受け取ってくれるまで帰らないから!

しず:ちぃ ! もらってやるから、とっとと失せやがれ!

<SE>ティッシュを奪い取る音

<SE>バタン!(玄関ドア)

ドブ太:しめしめ、やったぞ。コレであの生意気なくそ女もおしまいだ。僕をフッたりするからだよ? ヒーヒッヒッヒィ!

デスM:次の日!

<SE>学校のチャイム

学校の先生:えー、みんなに言っておかなければならないことがある。昨日、うちのクラスの、みなもとのしず、出来杉山タダシが、突然、謎の爆発に巻き込まれたそうだ。 みんなも爆発には気をつけるように。えー、それでは、授業を始める

<SE>黒板にチョークで板書する音

ドブ太:アレレ〜? おっかしいな〜。なぁんで出来杉山も爆発しちゃったんだ〜? ま、いっか

<SE>ちゃんちゃん