アレルギー

登場人物

  • マナ(女):女子高生
  • サカイ(男):男子高生

所要時間(300文字あたり1分として計算)

約5分0秒(1546文字)

台本についての補足説明(ディレクション等)

特にありません。自由に演じてください。

本文

マナ:お、サカイ。何してんの?

サカイ:ブワックショイ! マナか。何してんの、じゃないだろ。学校からウチに帰ってるだけだろ

マナ:おー。そうか。そうか。 じゃあ、仕方ないな。一緒に帰ってしんぜよう

サカイ:ブワックショイ! それはどうも。ありがたいね

マナ:なに? さっきからくしゃみなんかして。風邪でもひいたの? バカのくせに

サカイ:えー、と。このくしゃみは、だな。 んー。まあ、一種のアレルギーかな

マナ:へー。アレルギーねー。ところでさ、英語のレポート教えてくれない? これからスタバ寄ってさ。 いやぁー英語、苦手でさー。 サカイ、英語だけは得意でしょ?

サカイ:ブワックショイ! クショイ! なんだよ、さっきはバカ呼ばわりしといて

マナ:ごめんごめん。いやー、あの英語のレポートがでエグくてさー

サカイ:クショイ!

マナ:絶対、一人じゃ無理!

サカイ:クショイ!

マナ:サカイと一緒に放課後を過ごすのは不本意だけどー

サカイ:クショイ!

マナ:背に腹は変えられないってゆーかー

サカイ:クショイ!

マナ:仕方ないよね!

サカイ:ブワックショイ!

マナ:ねえ、大丈夫? 花粉症?

サカイ:く、苦しい。 もう勘弁してくれ

マナ:もう瀕死じゃん。なんかのアレルギーなんだっけ?

サカイ:…もう我慢できないから言っちゃうけどな。どうも、俺は嘘のアレルギーらしい

マナ:嘘のアレルギー?

サカイ:嘘の言葉を聞くと、くしゃみが出るんだ

マナ:へー。なるほど? …本日は夕方ごろから雪が降るでしょう

サカイ:クショイ!

マナ:私の得意料理はアクアパッツァとビーフストロガノフです

サカイ:クショイ!

マナ:吾輩は猫である

サカイ:ブワックショイ! …おいこら、いい加減にしとけよ

マナ:いや、すまんて。そっかー。ほんとに嘘アレルギーってことー? おもろ。…いや、ちょっと待って。 そうなると、今までの会話は…

サカイ:ん? どうかした?

マナ:い、いや、なんでもない

サカイ:クショイ! …マナはさー、成績、かなりいい方だよなー

マナ:そ、そうかなー。いやー、それほどでもー

サカイ;クショイ! 英語の成績だって俺とほとんど変わらないだろ? …それをねー。 あのレポートが難しいとはねー

マナ:いや、その、た、たまたま苦手な感じだったってゆうか

サカイ:クショイ! 俺と一緒に放課後を過ごすのは不本意ですかー?

マナ:不本意っていうか、まあ、その学校のレポートのためには仕方ないと申しますか

サカイ:クショイ! あー。もう少し素直になってもらえると助かるんだけど? これじゃあ、ティッシュが何枚あっても足りないよ

マナ:は、はぁ? 素直ってなに? ちょっと何言ってるかわからないんだけど

サカイ:なんていうかなー。 俺のこのアレルギーも、マナを素直にするために授かったような気がするんだよね

マナ:そ、その心は?

サカイ:マナ、俺のこと好きでしょ?

マナ:は、はあ? そんなわけないじゃん

サカイ:へクシ! バレバレだって。もう観念してさ、素直になろうよ…て、アレ? なんで泣いてんの?

マナ:…わたし、用事あるから、もう行くね。…ばか

サカイ:へクシ! いや、ちょっと待てよ。…えー。なんでだよ。 めんどくせぇなあ! もう知らねえよ! ブワックショイ! …あー。なんだよ。これ。自分にも嘘つけないのかよ